ロミオとジュリエット Romeo & Juliet
バレエで紡ぐ、命を燃やす愛の物語
シェイクスピアの戯曲として多くの人に知られる「ロミオとジュリエット」。プロコフィエフの美しくロマンティックな音楽とともに舞台上で繰り広げられるドラマは、言葉に勝るとも劣らない迫力で心を震わせ、クラシック・バレエの演目としても大変人気の作品です。
舞台は14世紀、イタリア・ヴェローナ。代々敵対するモンタギュー家とキャピュレット家の若い2人が物語の主役です。モンタギュー家の一人息子、ロミオはキャピュレット家の舞踏会に忍び込み、キャピュレット家の息女ジュリエットと、運命の出会いを果たします。決して交わるはずのなかった2人。ジュリエットが、自分の恋した相手は敵対するモンタギュー家の一人息子だと知った時には、もう心のときめきは抑えられないほどに想いあっていたのです。最も有名な場面の一つ、バルコニーで踊るパ・ド・ドゥでは、2人が永遠の愛を誓います。
しかし、カーニヴァルが繰り広げられるヴェローナの広場で、悲劇の連鎖がはじまります。ジュリエットの従兄ティボルトが、ロミオの友人マキューシオと決闘をし、マキューシオは死んでしまいます。取り乱したロミオはティボルトに襲いかかり、殺してしまうのです。ヴェローナを追放となってしまうロミオ。両親が決めた婚約者パリスとの結婚を拒否したジュリエットは、神父の助けを借りて仮死状態になる薬を飲み、目が覚めたらロミオと逃げ出すことにします。しかし、ジュリエットが本当に死んでしまったと思ったロミオは、毒薬を飲んで自らの命を絶ちます。ジュリエットが目覚め、すでに息絶えたロミオを見つけると、彼女も剣を手にし、その生涯を自ら終えるのです。
運命をはねのけ共に生きることを誓いあった若い2人が、憎しみ合う両家の狭間で愛を成し遂げられずに死に至る…憎しみから憎しみを生み連鎖していく人間の愚かな歴史のなか、若い2人が情熱をもって純粋に愛を貫いた壮大な悲劇を、クラシック・バレエで描きます。

- 〔 原台本 〕
- W. シェイクスピア
- 〔 音 楽 〕
- S. プロコフィエフ
- 〔 演出・振付 〕
- 貞松正一郎
- 〔 バレエ団初演 〕
- 2021年10月16日・17日 あましんアルカイックホール
